香港人の母語、広東語ってどんな言語?[普通語とは外国語レベルで違う]
こんにちは、みさたる(Twitter:@misatal1)です🙆♀️
私は先月まで5年間、香港に住んでいました。
突然ですが、香港人はどんな言葉を話しているかご存知ですか?
何かしてもらって
「謝謝!(ありがとう)」
と言っても、ひょっとしたら微妙な顔をされるかもしれませんよ☺️
なぜか?
日本で「中国語」と言われているものは普通語(北京語)です。
ざっくりいうと、普通語は北京あたりで話されいる言葉をベースに作られている言葉なので、標準語という意味で「普通語」と呼ばれています。
プートンファと発音しますよ〜
私は香港に移住して初めて、広東語という言語に触れました。
今日は皆さんに
✔️広東語ってどんな言語?
✔️普通語とはどれくらい違うものなの?
といったところを分かりやすく説明できたらと思います。
そもそも普通語と広東語はどれくらい違う?
この音声を聞いてみてください。
無理やりひらがなで書き表してみるとこうなります。
普通語:じんてぃえんわんしゃん、にーしゃんつーしぇんま?
広東語: がむやっわんそん、ねいそんせっくめーいえーあ?
上海語に至っては全く聞き取れません!笑
本当に全然違いますよね。
中国語の中の方言という扱いですが、もはや外国語です。
日本語と韓国語ほど、もしくは英語とドイツ語ほど違う!なんて表現されたりもします。
広東語とは?
広東語(英語ではCANTONESE)は、中国南部の広東省・広州のあたりを中心に話される言語です。
使用されているエリア
広州をはじめ香港・マカオ、またマレーシア・シンガポールにいる中華系、さらに世界各地の中華系移民が広東語を話します。
地図で見るとおわかりの通り、広東省は首都北京から見るとかなり下、南側です。
よく「広東語はタイ語やベトナム語に似て聞こえる!」
という人がいますが、地理的に近いと言語も近くなるので似ているんですね😊
豆知識:それにしても中国は大きい。
方言なの?書き言葉もあるの?
香港人から聞いたところ、広東語は基本的に話し言葉で、書くと普通語と若干語順が違うそうです。
機内で中国人のお客さんが香港の新聞を普通に読んでいましたし、逆もあります。
おそらく、「書くと若干違うけど、公式な文章などは普通語の語順になっている」
ということなんでしょう。
ちなみにですが、香港人が使う文字は繁体字という昔ながらの難しい漢字なので、そもそもタイピングしたり文字で書いたりするのを面倒臭がる人が多いです。
ですので、香港人は結構な確率で
ボイスメッセージを送る
英語でメッセージを打つ
これで連絡を取り合ってます。
ボイスメッセージの利用率はびっくりしますよ!みーんな携帯に向かってぶつぶつとメッセージを録音しています😊
LINEにもボイスメッセージ機能はありますが、日本で使っている人はあんまりみないですよね。
普通語と広東語の違い
さて、ここからは実際に単語を紹介しながら、どんな違いがあるのかをみてみましょう🙆♀️
読み方の違い編
まずはこちらです↓
①日本
普通語:りーべん
広東語:やっぷん
1つめからびっくりするほど違いますね。
ちなみに、広東語で日本人はやっぷんやんと発音しますよ〜!
続いてはこちら↓
⓶香港
普通語:しゃんがん
広東語:ひょんごん
英語のHONGKONGは、地元民の読み方であるひょんごんがベースになっているんですね🙆♀️
では数字はどうでしょうか?
⓷1〜10
普通語:
いー、あー、さん、すぅ(↓)、うー(1〜5)
りゅう、ちー、ばー、じょう、すぅ(↑)(6〜10)
広東語:
やっ、いー、さん、せい、んー(1〜5)
ろっ、ちゃっ、ばっ、がうっ、さっ(ぷ)(6〜10)
香港にはNg(んー)という苗字の方もいらっしゃいます。
数字の5もngと発音しますし、打ち消し(〜ではない)と言いたい時もm(「む」寄りの「ん」)という音をつけて話すので、日本人にはちょっと難しいのです…。
また、4や6はかなり日本語の(し、ろく)と似てると思いませんか?
広東語の漢字の発音は、普通語よりも日本に近いのです😊
単語の違い編
読み方だけ違うものもあれば 、単語そのものが違うものもあります。
まずは超大切なこの言葉から↓
⓵ありがとう
普通語:謝謝(しえしえ)
広東語:唔該/多謝(むごい/どーじぇ)
大勢が脱落してしまいそうなほど違いますね。笑
広東語の「ありがとう」は2つあります。
1つ目は唔該(m goi むごい)。これはとってもよく使います。
日本語の「すみません」とよく似ています。
何かをしてくれてありがとう!をはじめ
・店員さんへの呼びかけ
・頼んでいた食事や飲み物が来た時
・ちょっと道を開けて欲しいなど、他人に気づいて欲しい時
などなど、ありがとうからすみませんまでをカバーする万能ワードです。
香港や広東語圏の人と話すときは、是非覚えて使ってみて欲しい単語No.1です😊
相手も喜んでくれること間違いなし!
2つ目の多謝(do je どーじぇ)は、何かモノ(プレゼントやお金など)をもらったときに使う「ありがとう」です。
・旧正月でお年玉をもらったとき
・食事を分けてくれたとき
・お店の人が値段をまけてくれたとき
に使える言葉です。
これも大きく違います↓
⓶〜である、はい、Be動詞
普通語:是(すぅ)(↓)
広東語:係(はい)
私は日本人です、を2つの言語で書くとこうなります
普通語:我是日本人(うぉーすぅりーべんれん)
広東語:我係日本人(おーはいやっぷんやん)
このBe動詞的な係(はい)は、
「◯◯ですか?」
「係(はい)」
のようにYes/Noで答える時も使います。
日本語のはい/いいえ の「はい」も、この広東語の係(はい)から来ているという説が濃厚だそうですよ🙆♀️
ちなみに否定系はこうです↓
普通語:不是(ぶーすぅ)
広東語:唔係(むはい)⚠️んまい、と繋がって発音することも!
共通してるもの編
本土の人も香港人も使う、中国といえば!のあの一言です↓
●哎呀(あいやー)
びっくりした時、あらまぁというとき、むむっ!?と言いたい時、何かを思い出した時など、多用します。もはや乱用レベルで使います。笑
ちなみにこれ、うつります。一緒に働いていると、気づいたら私まで「アイヤー!」と叫んでいます🙆♀️
さいごに
今日の記事を読んでくださったあなたは、香港人に自己紹介ができるようになりました!
我係◯◯(名前)
我係日本人
使うチャンスがあったら、是非言ってみてください✨
地域や歴史、その土地の文化によって言語は大きく変わりますよね。それがとても面白いなぁと感じます。
機会があったら、もっといろんな言語を勉強してみたいです😊
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました✨